【恋の物語】あなたの隣に~Beside you~【ショートストーリー】

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あなたの隣りで・・・

キミと向かい合わせで寝ているのにも、限界が近い。

顔を見えている分、黙って触れられてしまう勇気が持てない。

 

「ここから先··」息の触れあう距離。

 

僕の顔前にあるキミの手、小指から人差し指までの4本を握ってみる。

好き過ぎるのも考えもの。

性の対象として見てしまってもいいのだろうか・・・僕は思考が混沌としてくる。

 

「どうしよう・・・」

 

子どもみたいに自問する僕に微笑むキミ。

しかし、なにも言ってもらえない。

2人の目の前、握った手が顔半分を隠すから片目で見つめ合う。

遠慮がちにする呼吸が息苦しい。

4本を握った手が汗ばむ。

 

僕はしっとりした手を離さず距離をつめる。

胸と胸が触れる距離。

僕の心臓の鼓動が加速する。

緊張してカッコ悪い気持ちがばれるのをかまわず抱き寄せる。

 

「キスがしたい」

 

キミは軽くうなずき、チラっと合わせた目を伏せた。

僕はひたいにひたいを合わし、もう一度キミと目を合わす。

 

鼻先で鼻先を軽く押しつけ、離す。

すぐに来ない唇に、はにかむキミ。

さらに、鼻先を軽く押しあて、また離す。

 

キミの気持ちを確かめ、すうっと唇の前で一度止める。

鼓動の瞬間と息を胸に留めてから、ワンタッチのキス。

満足が顔に出ていてるのが自分でわかる。

顔を見せないために抱きしめる。

 

「キス、良かった、 できて」

「ホント?」

「ほんと!」

 

敏感な体をキミに当て照れ笑いのまま長いキスへ向かった。

夜明けは近い。でも今日は休み。

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クッキング

彼女にクッキング豚ブロックを目の前に悩む。

日本産が 500 グラムで 750 円。

アメリカ産は 820グラムで850 円。

1人で食べること考えると 820グラムって多いんじゃないか?

冷凍するのもありだけど、 そうしたにマメにはなりたくはない。

でも塩豚にするから日持ちはするんだが。

 

「なに困ってんの?」

「ん、豚肉をさ、どうしよっかって」

 

ふっと消えていたキミがチョコとポテトを手に現れた。

正直、豚肉を迷っちゃっている姿を・・・見られましたくなかったのだが。

 

「なにこれ、安っ!これだけで 850円?ここ安いね」

「そうなんだけど、ちょっとでかいかなって」

 

「冷凍しておきましたそしたら?」

 

やはりそういう発想になるよな、普通。

 

「そうだね」

「あまんないよ、そんなに。だって…」

「だって?」

「私、マメに食べに行くもん」

 

目を見ないで言うキミは、 きっと少し照れている。

そこは僕も同じで、キミを見ないでアメリカ産を取る。

 

「何作っても、不味いとか言うなよ」

「はーい」

 

料理は食べてもらえる人がいると作りがいが違う。

僕は豚肉のメニューを思いながら、キミの喜ぶ顔を想像していた。

そんな何気ない日常が僕にとって幸せの形だった。

 

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